【前編】「Juicer」や「SEARCH WRITE」のプロダクト責任者を経てウイングアーク1stに入社した五十嵐さんはまるでSaaS界の米津玄師!?
dejiren事業開発部に新しい仲間が入社しました!と言っても仲間が増えること自体は割と日常茶飯事なのですが、33歳の若さでベテランエヴァンジェリストである大畠幸男さんと肩を並べる副部長ポジションにいきなり就任、ということで、これはきっとただ事ではないと感じ、直撃インタビューを決行してきました。
1本目となるこの記事では五十嵐さんがこれまでに手掛けてきたプロダクトの話や経歴など「これまでの話」を、2本目の記事ではウイングアーク1stでどんな役割を担っていくのか、どんなチームを作りたいのか、という「これからの話」をお届けします。なかなか面白い経歴をお持ちの方なので2本ともお見逃しなく!
五十嵐和希、33歳、2021年8月1日にウイングアーク1stに入社!
田川:今日はお時間いただきありがとうございます。五十嵐さんはdejiren事業開発部の副部長に就任された、ということなのですが、一体どんな経歴をお持ちなのでしょうか?
五十嵐:はじめまして。五十嵐和希、33歳です。2021年08月01日に中途採用で入社しました。前職は株式会社PLAN-Bという会社で「Juicer」や「SEARCH WRITE」などのSaaSプロダクトのプロダクト責任者(PdM)、プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)をしていました。
田川:それぞれのプロダクトについて詳しく教えてもらえますか?
五十嵐:では、まず「Juicer」の方からお話ししますね。このプロダクトには立ち上げから僕も関与していたのですが、元々は別のプロダクト責任者がいて僕はPMMという立場だったのですがプロダクト責任者が退職した後、僕が責任者を引き継ぐことになりました。2015年から始まって2019年にプロダクトが他社に買収されるまでプロダクト責任者を務めていました。
なぜ「Juicer」は無料ツールになったのか?その裏側にあった意外なマネタイズ案とは?
田川:「Juicer」とは何をするツールなのでしょうか?
五十嵐:なかなか説明が難しいツールではあるのですが、端的にいうとユーザー解析ツールです。Googleアナリティクスでアクセス解析をやっている人や企業は多いと思うのですが、Googleアナリティクスでわかるのはどのページに何回アクセスがありました、というデータです。対して、Juicerでわかるのは例えば、このページを訪れたのは41歳男性、東京都在住、過去に4回来ていて主に昼間に来ている、などの情報です。こういう情報を集めていくと代表的なユーザー像をAIが出してくれるようになります。
このサイトの代表的なユーザーは男性37歳、購買に強く影響を与える情報源は企業のウェブサイトや店頭、イノベーター理論的にはフォロワーに近い人で安定維持タイプ、などのペルソナ作りをJuicerは自動でやってくれます。ペルソナって感覚で作ってしまうことが多いかと思うのですが、このツールを使えばデータに基づいてペルソナ像を判別できます。そうするとどんな良いことがあるのかと言うと、例えば、各ユーザーに沿ったプロモーション施策を行うことができるようになります。こういう属性でこういう欲求分類の人にはこういうポップアップバナーを表示させる、とかそんな感じです。
元々の構想ではポップアップ施策やA/Bテスト施策でマネタイズする、というプロダクト設計になっていたのですが、それだけではマネタイズが難しいと感じていたので、僕がプロダクト責任者を引き継いだタイミングで思い切ってマネタイズ方法を変更し、誰でも無料で使えるツールとして市場に開放しました。このツールを導入するにはJuicerの解析用タグをサイトに埋める必要があるのですが、タグを埋めるということはその企業さんのアクセス情報とかのデータをJuicer側が取得できる、ということになります。その取得したアクセスデータや分析データをきれいにテーブルにデータとして溜め込んでそのデータを完全に匿名化して販売する、という事業を始めました。ツールを無料で公開したことで導入企業数6000社以上、導入サイト数5万5000以上というサービスに成長し、データを販売することで取引先が少ない状態でもそれなりの規模感の収益を生み出すビジネスに成長させることができました。
その後、クッキーなどに対する規制が厳しくなってきたという社会的な背景もあり、Juicerの既存価値を最大限活かしていただけそうな、ポストクッキー系のテクノロジーを持っている企業に売却しました。それが2019年10月でした。
得意なSEO領域でSaaSを作ってみよう、という企画「SEARCH WRITE」
田川:その後立ち上げた「SEARCH WRITE」というのはどんなツールなのでしょうか?
五十嵐:実際にJuicerを売却する半年くらい前から売却することは決まっていたので、次のプロダクトを作ろうということで作り始めたのが「SEARCH WRITE」というSEOツールです。PLAN-Bの収益ポートフォリオの利益の多くがSEO事業なので、得意なSEO領域でSaaSを作ってみよう、という企画です。この企画は立ち上げの段階からプロダクト責任者をやっていました。
このツールは「あのSEOに強いPlan BがついにSaaSを始めるぞ!」という触れ込みで最初からそれなりに売れました。これは1社あたり5万円、というシンプルなビジネスモデルです。ユーザー数課金とかもありません。
設計フェーズではSEO市場規模の調査とかファイブフォース分析などもちょこちょこやりつつコンセプトを決めて、コアバリューを決めて、ロゴのコンセプト決めて、という流れで進めていきました。SEARCH WRITEという名前を考えたのも僕です。当時ツールの名前には2つのパターンがあって、日本で流行っていたのはモチベーションクラウドとかChatworkとかSalesforceとかサービスの内容が名前でなんとなく想起できるものが多かったのですが、Juicerは全くそれができないサービスだったので今回は内容がなんとなくわかるものにして欲しい、という社長の依頼でした。
競合との機能比較を行いどんなところで差別化するのかを決めたり、どのターゲットに対してどんな機能性で売っていくかなどの戦略を考えたりし、マイルストーンやKPIツリーを設定して、収支計画を作りました。実際にほぼ収支計画通りに僕が辞めるまで推移し続けていました。導入社数も600社を超えてそれなりに順調だったのですが、月5万円のサービスなのでとにかく数売る必要がある、という部分と、マーケットボリュームに限界があるという部分に次第にジレンマを感じるようになりました。これをあと5年やるかのと考えた時に自分は今年34歳になるので、キャリア的にももっと大きいマーケットで戦いたいと思い、次の一手としてdejirenを選んだ感じです。
ところで米津玄師に似ているって言われませんか?
田川:五十嵐さんの人となりについて教えてください。
五十嵐:動物が好きで犬と猫を一匹ずつ飼っています。あ、あと、自己紹介をする時に一番驚かれるのが高校に行っていない、ということです。中学校を卒業してすぐ働き始めました。最初は引っ越しや工場の現場で日雇いバイトをしていました。なので経験した現場の数は半端なく多いです。ただ僕は身長が180センチあるのですが、体重が50キロくらいしかなくてめちゃめちゃ痩せているので肉体労働が辛すぎて、会社の人と必死で交渉して内勤に変えてもらったという経緯がありました。
田川:なかなか劇的な人生を歩んできているのですね。ところで米津玄師に似ているって言われませんか?
五十嵐:最近かなりの頻度で言われます。ただ僕の方が年上なので、僕が米津玄師に似ているのではなく、米津玄師が僕に似ていると思いたいですね。なので、皆さんもそう思ってください。(笑)
と言いつつ、言われすぎて米津玄師を意識した感じのパーマをかけたので僕の方から寄せている部分も最近はあるかも知れません。(笑)
編集後記:
ということで米津玄師を若干意識した感じの写真も撮影させてもらいました。
ウイングアーク1st社内で「米津玄師に似ている人選手権」が開催されたらぶっちぎりで優勝間違いなしだと思います。(私感です。)後編の記事では、SaaS界の米津玄師的な存在である五十嵐さんがウイングアーク1stでどんな役割を担っていくのか、どんなチームを作りたいのか、仕事に対してどんな意識で取り組んでいるのかなどを取り上げていきたいと思います。後編もお楽しみに!
※後編はこちら(12/1公開)
(データのじかん編集部 田川)
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