R&D室は必殺無茶振り請負人!?
年初に放映されていたウイングアーク1stのコマーシャルでは「データがあるから踏み出せる一歩がある」と謳っていましたが、データを見た後にどこに向かって一歩を踏み出すべきか、というのはなかなか難しい問題でもあります。特に、ウイングアーク1stの場合、自社で製品の開発を行っているわけですから、どんな製品やサービス、あるいは機能性が求められているのか、という視点を常に持って一歩一歩を進んでいく必要があります。
その視点のある意味アンテナ役となるのがまだ存在していない機能や研究を司るR&D室になります。R&Dとは「Research & Development」の略ですが、日本語に訳すと「研究開発」です。ってことは研究して開発しちゃうんです。んー、なんかカッコいい。
今回はそんなカッコいい部署で働く清水享さん、渡辺博憲さん、田部井一成さんというカッコいい3人から直接お話を聞きました。R&D室では一体どのようなことが行われているのでしょうか?
とりあえず3人のプロフィール
田川:まず簡単に自己紹介をしていただけますでしょうか?どんな経歴でR&D室に配属になってどんなお仕事をされているのでしょうか??
▲清水さん(上段左側)、渡辺さん(上段右側)、田部井さん(下段右側)
渡辺:私は所属はR&D室ですが、基本はコミュニケーションプラットフォームのDEJIREN開発の仕事をやっています。以前は、BIダッシュボードのMotionBoardを担当していたり、それ以外にも結構担当しています。例えば、全ての製品のインストーラーで採用されている基盤を 作ってメンテナンスをしています。ライセンスマネージャー、つまりインストーラーで入れた後に行うアクティベーションの部分も、もともとCTOである島澤さんが作ったものですが、今は私がメンテナンスを行っています。
他には、1st-commonsライブラリといって汎用的に使えるライブラリのメンテナンスだったり、MotionBoardやSPA、DEJIRENで使っているブリッジサービスの通信部分のライブラリの作成や自動更新のメンテナンスもしています。私の場合、製品単位ではない業務が多いので他の部署とも動きやすくするためにR&D室所属という感じです。
田部井:私はもともとパッケージドソリューション開発部にいたのですが、去年の6月からHACCP向けのWebサービスやネイティブアプリを作るサービス開発部門で、主にプロジェクトマネージャーをしています。例えばネイティブアプリの要件を決めてエンジニアや社内外の関係者とのコミュニケーションを担当しています。
R&Dでは、データのR&Dをやってもらいたい、と島澤さんから依頼されているのですが、正直なところHACCP関連の業務で手が回らない状態なので、データのR&Dについては、思いを巡らせるくらいのことしかできておらず、今後具体的なミッションを定めて実行したいと思っているところです。
清水:私は札幌でDr.Sum の開発を15年くらいやっていて、いろいろ思いがあって田部井さんも所属していたパッケージドソリューション開発部に移動したのですが、その部署が4ヶ月であっけなくなくなってしまいました。(笑)その頃から、1人もしくは2人のチームでそれぞれ違うことをやっている感じだったのですが、それがR&Dという名前になり、今に至ります。
業務的には、CTOである島澤さんの試みをベースに深掘りしたり、リソースが足りなくて困っているプロジェクトのサポートを行なったりと、色々やっています。今は社内でも話題のプロサッカーリーグであるギラヴァンツ北九州 のプロジェクトにアサインされています。今日はその関係で、普段は札幌なのですが、小倉にいます。
R&D室は何をしている部署なのか?
田川:R&D室というのはどういうチームで、どんなミッションを掲げて活動しているのでしょうか?
清水:R&D室には、今日のこの3人と、5月に新しく入社した木田晶久さんと島澤さんの合計5人が所属しています。他には、ジョブプラスの制度を使ってR&D室を支援してくれている、兼務メンバーが6人います。(ジョブプラスとは通常の業務に加え、自分の関心のある他部署の業務にチャレンジできるという社内制度です。)
昨年度、R&D室が発足した当時は、要請をうけてプロジェクトを手伝ったり、小物を作って欲しいといった要望に答えたりしていました。あとは、ハードウェアの制作ですね。島澤さんが自ら対応していた案件を引き継いでハードウェアを制作したりも。田部井さんがいるHACCPプロジェクトのBluetooth連携や、DEJIREN開発を手伝いに行ったりもしました。と去年はR&Dよりもいろんなプロジェクトを助けにいくことの方が多かったです。便利屋さんみたいな感じです。
渡辺:今日はたまたま3人集まっていますが、普段は一緒に働くことはないです。そういう意味ではチーム感は全くないです。(笑)今、R&D室としてのプロジェクトで動いているのは、ギラヴァンツ北九州の案件くらいですね。
社内でも注目度の高いギラヴァンツ北九州プロジェクト
田川:では、清水さん、ギラヴァンツ北九州とのプロジェクトについて教えてください。そもそもギラヴァンツプロジェクトに至るまでにはどんな経緯があったのでしょうか?
清水:今は退職されていますが、ウイングアーク1stの社員だった方が、ギラヴァンツの本拠地である小倉の出身で、ギラヴァンツの社長と交流がありました。ご縁から会話を重ねるうちに、データを使ってチームを強化するスポーツテックの取り組みができないか?というスポンサードの決定がなされました。プロジェクトが始動し、便利屋的な存在である私がアサインされて去年から始まったという感じです。
田川:プロジェクトとしては今どんな状態なのでしょうか?
清水:フィジカルコーチの村岡さんがデータを使って選手の強化する、というミッションを掲げています。選手にセンサーを付け、いろんなデータを集めてそれを手で集計し、分析して選手にアドバイスをする、という流れでやっているのですが、データの集計を手作業でやっているのでとにかく時間がかかるのですよね。なので、データ集計にMotionBoardを使って一瞬で終わらせるようにしようとしています。こういう手作業から解放されれば本来やりたいことにより集中できるので、今後は選手の強化を目指してやっていきましょう、という状況になっています。
田川:選手の強化をするために具体的にはどんなデータを見ているのでしょうか?
清水:心拍数だったり、今後はジャンプを記録したり。これは、相手の選手と争ってジャンプをした時にどういうジャンプをしているか、ボールが取れた取れない、とか。あとはボールを奪い合ったあと、選手がどのくらいの時間でどのくらいのダッシュをしたかを記録し、試合の流れの中でどういう風にチームが機能したかを記録して次の試合に向けてそれをフィードバックするという流れです。
練習場にも10台の固定カメラが設置されていて録画データも活用できるようになっています。ちなみに今もリアルタイムで練習している風景を見ることができます。
田川:なるほど。今後はどういう展開をしていくのですか?
清水:センサーデータと映像を連携させてもっと使いやすくしたい、という要望が上がっているのでそれを実現させたいですね。長期的には、試合の映像をAI分析して、インターセプトの瞬間に選手たちがどういうダッシュをしたかを自動的に分析できるようにしたり、試合の録画データを元に分析して数字に落としたり、映像連携をしたり、などが実現できると良いかなと思っています。最終的にはチームの勝利に貢献できると何よりもそれが嬉しいです。
こういうプロジェクトはお客さんとの距離がとても近くて楽しいです。開発の時はお客さんとの間にプリセールスや営業がいるので直接会って話す機会はほとんどありません。あっても障害で呼ばれた時くらいなので、直接お客さんの反応を肌で感じられる、というのはやりがいがあります。
取材後記:
一見バラバラのように見えるR&D室の3人ですが、話を聞いてみると実際は思った以上にバラバラでした。(笑)
野球で言うと、清水さんはピッチャーもバッターも野手もなんなら審判もやるベテラン万能選手。渡辺さんはゲームを1人で組み立ててくれる頭脳派投手タイプ、田部井さんは内野も外野も守れるマルチプレーヤータイプという印象を受けました。
ただ「R&D室で働いていてしんどいことは何ですか?」という問いには「CTO島澤さんからの無茶振りです」と珍しく3人の意見が一致していました。それでも無茶振りされるのはそれが可能だという算段でかつそれが誰かの役に立つから、という島澤さんからのメッセージであると前向きに受け止め、無茶振りに全力で答えていくことに楽しみさえ見出している感じが印象的で、無茶振りされた話をする時が3人とも一番楽しそうでした。そして、ギリギリのところにボールを投げる島澤さんの無茶振りは個々の能力を的確に把握していないと絶対にできない芸当だと、3人とも口を揃えて感心していたのも印象的でした。いずれにせよ、技術的な知見だけでなく、幅広い想像力や忍耐力が求められる彼らの取り組みは製品の新しい機能に結びついたり、新しい製品やサービスの開発に繋がっていくわけなので、ウイングアーク1stの近未来を担っている、かつ技術力の基盤となっている重要な部署であることが今回の取材でよくわかりました。人呼んで必殺無茶振り請負人。新しく入社された木田さんは、田部井さんの紹介で入社されたそうで、クラフトビール好きでギタリストだそうです。個人的には木田さんのお話も聞いてみたかったです。
そんなわけで道なき道で見えない敵と戦う試行錯誤が好きで無茶振りされると喜ぶタイプの人はR&D室がオススメです。今後のギラヴァンツの活躍にもぜひ期待したいところです!
次回の「体当たり取材シリーズ:となりは何をする部署ぞ!?」にはSuccess Contents部が登場しますのでみなさまお楽しみに!
(データのじかん編集部 田川)
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