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「うちのチームが目立たないで製品をリリースできることが理想」と語る品質改善部 DEQIグループが感じる使命感とは!?

体当たり取材シリーズ4回目となる今回は東京を遠く離れ、札幌オフィスで活動するソフトウェアプロセス& 品質改善部 DEQIグループの坂口祐樹さん、木村貴さん、及川智之さんに集まっていただきお話を伺いました。

田川:今日は集まっていただきありがとうございます。最初に軽く自己紹介をお願いできますか?

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▲及川さん(上段左側)、坂口さん(下段左側)、木村さん(下段右側)

坂口:DEQIグループのマネージャーをしている坂口です。データ基盤ソリューションのDr.SumとDr.Sum Datalizer(以下、Datalizer)のQA(品質保証)業務を担当しています。新卒で入社してから14年になります。正確に言うともともとはDr.Sumのエンジンを作っていたディジタル・ワークス株式会社に新卒で入社しました。

木村:Dr.Sumのサーバー側の検証をメインに担当しております木村です。2007年ディジタル・ワークス株式会社に中途で入社して、それ以来14年間、坂口さんとずっと一緒に働いています。入社前はSEをやっていました。函館の出身なのですが、函館の人は北海道の他のエリアと比べてなまりが強いので、初対面の人にイントネーションが変だと突っ込まれることが多いです。(笑)

及川:DatalizerのQA業務 兼 DEQIグループ内にある AutomationT のリーダーをしています及川です。もともとは旭川にあった HITコミュニケーションズ株式会社というウイングアーク1st出資で立ち上がったDatalizerの会社の社員でした。 HITコミュニケーションズ株式会社 から1stネクスパイア株式会社→ 株式会社エフ・アイ・ティ →ディジタル・ワークス株式会社出向→ウイングアーク1stと仕事は変わらないのに会社名が変わる、という謎の経験をしました。(笑)入社してかれこれ15年になります。

QIとQAの違い

田川:DEQIグループはどんな業務を行なっているグループなのでしょうか?

坂口:DEQIというのはData Empowerment Quality Improvement の略で、Data Empowement事業の製品やサービスの品質改善をする、というのが主な業務です。Dr.SumとDatalizerのQA(品質保証)業務を主に行っています。及川さん率いる AutomationT は製品にこだわらず会社のサービスやプロダクトの開発や品質保証をする上で必要な部分に自動化を導入していくというのがミッションです。

田川:品質保証 = QA(Quality Assurance)というのが一般的な名称かと思うのですが、QI(Quality Improvement)となっているのにはどんな理由があるのでしょうか?

坂口:QAと言ってしまうとテストだけやっていると思われがちなのですが、テストというのは品質を保証するための手段の1つでしかありません。テストはもちろんするわけですけど、テスト自体は誰でもできる作業なので我々でなくてもいいと思っています。テストというか監査という意味では開発側が動作確認のエビデンスを残してくれればそれを確認するだけでも十分な部分もあるわけですし。

ただし品質に関してはそれだけでは不十分で、ユーザー的には製品にこういう動作を期待している、ここではこういう機能があったほうがいい、という部分も含めて考えているので、テスト、という意味ではなくて製品としてこの方が優れているのでは、という提案をフィードバックするのもQAの仕事だと思っています。実際うちのチームではそれをみんながやってくれています。テストをすることがメインだと思われがちなのですが、それは一部でしかなくて、製品としての価値を向上させるためのことであればなんでもやる、というところもミッションとしてあります。なのでQAではなくQI(Quality Improvement = 品質改善)という名前に変えた、という背景もあります。名前を変えたのは1年半くらい前ですね。

田川:DEQIチームのミッション・目標を教えてください。

坂口:「いかに我々のチームが目立たないで製品をリリースできるか」というところを重要視しています。QAが目立つというのは何か起きている時です。我々は確認する側の立場なので、QAが目立つということは何か重い不具合が起きた場合や想定していたよりも速度が出ていないなどのトラブルが起きた証拠ですし、そういうトラブルが起きた場合にQAが大きな声を上げて注意喚起しなくてはいけない。

なので、そういうことがあまりない状態で製品をリリースすることを目標としています。と言っても、不具合は必ず見つかるし、予期せぬ出来事も必ずありますが、それをできるだけみんなで早い段階で開発に伝えて修復して穏便に解決できるように常に心がけています。

不具合を見つけるタイミングが大切で、いかに上流工程で見つけるか、が鍵を握っています。なので、そのためにはどうすればいいのかをいつも開発チームと一緒に話し合って考えています。及川さんと木村さんが開発の上流工程に入ることで、不具合や課題を未然に解決しつつ、製品の品質向上を実現させようとしています。

自動化によって守っているのは働いている人たちの精神状態と稼働時間

田川:次に AutomationT について教えてください。そもそも自動化というのはなぜ重要なのでしょうか?

坂口:最も大きな理由はリソース的な部分です。例えば、チーム全員やって1時間かかるテストをリリース前に一度やる必要があったとします。そのテストをやって不具合が見つかった場合、その不具合を修正した後に、他に影響が出ていないことを確認する必要があるのでもう一度テストをやり直す必要があります。テストが手動の場合、もう一度全員1時間かけてやり直す必要があるのですが、テストが自動化されていればテストが走っている間にメンバーは別の作業ができます。

Dr.SumのSQLは組み合わせで様々なことができるので、ざっと10万ケースくらいテストが必要ですが、その作業は木村さんが自動化してくれているので、10台のパソコンを並行して走らせてば1時間で終わるようになっています。

木村:こういう作業も私の入社当時は手作業でやっていました。それを今の製品のスペックでやろうと思うと1日8時間フルで働いても1ヶ月くらいはかかっちゃいますね。

坂口:まぁ、手作業でやろうと思えば出来なくはないですけど、テストする人の精神状態が心配です。(笑)あと結果の確認を目視でやるとなるとかなりきついですよね。自動化によって守っているのは働いている人たちの精神状態と稼働時間ですかね。(笑)

及川: QAがやりたいテストは仕様書通りに動いていることの確認ではありません。QAの観点は、性能はどうか、セキュリティはどうか、使いやすさに問題はないか、と多岐に渡ります。使い勝手や性能を改善する作業に分配する時間を増やすためにも自動化は必須です。正直なことを言うと、機能通り動いているかどうかは誰でも確認してできるのでそこにはできるだけ時間をかけたくないと思っています。製品としての品質を上げること、ユーザーの満足度を上げることにもっと時間を使いたいですよね。

機械でできることは機械にやらせるし、それを早い段階でやっておくことでQAが作業するときには人間が考えたり感じたりして生み出すものが 手元にある状態を作りたいと思っています。

坂口:今や自動テストが回せないと不安でしかないですね。どこか不具合があるのでは、と疑ってしまいます。

リリース前に集中的に自動テストを行うのではなく、常に自動テストを走らせられる環境をキープして、早めに開発にフィードバックできる状態にしておくことが大切だと考えています。

開発チームと一緒に製品を作っていきたい

田川:QI業務は今後どういう進化をしていくと思いますか?

坂口:ちょっと前まではテストをすることが9割、下手すると10割でした。今は開発と一緒に製品を作っていくことに少しずつ時間が割けるようになってきています。製品の設計、思想や価値を作り込むのは開発だけじゃなくてもいいと思っていますし、QAのメンバーにはQAならではの視点があるので、製品開発により上流工程から携わっていきたいです。

田川:DEQIの人を知らない他の社員に何かメッセージはありますか?

坂口: AutomationT の存在をもっと知ってもらいたいです!開発と一緒にDr.SumとDatalizerをより良い製品にするために一生懸命頑張っています!

及川:DEQIは開発ととても協力的な関係を作れているチームなので、そういう文化を他のチームにも広めていきたいです。

木村:Dr.Sumは世界一早い集計エンジンを目標としているので、それを支えていきたいと思っています。

取材後期:

遠く離れ、とはいえ、今回もZoomでお話を聞くだけなので、ジンギスカンを食べながらビールをたらふく飲んだり、スープカレーを食べたり、すすきので記憶がなくなるまで飲み歩いたり、釣り部の活動に参加して新鮮なワカサギをその場でフライにして食べたり、などという北海道らしいアクティビティは何もなく、昼前の時間帯にちょろっと集まって小1時間ばかりお話を聞くだけだったのですが、DEQIグループの仕事に対する心構えの部分も含めてなかなか良いお話が聞けたかと思います。早く一緒にサッポロビール園でジンギスカンを食べながらビールを飲める日が来ますように。

ちなみに札幌オフィスの3人に1人は釣り部の部員で、及川さんは釣り部の部長なのだそうです。初心者でも参加歓迎してくれるとのことなので、札幌出張の際にはぜひ釣り部の活動についても聞いてみてください。

次回の「体当たり取材シリーズ:となりは何をする部署ぞ!?」には R&D室 が登場しますのでみなさまお楽しみに!

(データのじかん編集部 田川)

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