リモートでも会社の一員と感じてもらうためには? 細かな研修プログラムが生まれた背景にあった過去のOJT体験
4月1日にウイングアーク1stに入社した新人社員たち。入社式はオンライン、かつ研修もすべてオンラインでの実施となりましたが、6月からはそれぞれの部署に配属され、奮闘が続いています。
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そこで、4月から新入社員研修に携わってきたPeople Success部(人事部)の冨永さんと佐藤さん、営業部の丹波さんとマーケティング本部でインサイドセールスを担当する春さんに、これまでの研修の様子や、プログラムの進め方、今後の研修のありかたなどについて伺いました。
▲People Success部(人事部)の冨永さん(写真・左下)と佐藤さん(写真・右上)、営業部の丹波さん(写真・右下)とマーケティング本部の春さん(写真・左上)
リモートでもあせりすぎない 昨年度の基盤をいかした研修プログラム
冨永:4月は人事でビジネス基礎研修を担当し、5月は製品基礎研修で、こちらはテクニカルセールス部が担当しました。6月からは丹波さんや春さんをはじめ、配属先の先輩たちが担当しています。
丹波:当初はこれほど長いリモートワークになると思っておらず、配属を経ての営業でのOJT研修も7~8月に行う想定でした。ただ、オンラインでの研修は、リソース的にも方法的にも限界があると感じたこともあり、6月に配属を前倒しする方向で4月下旬ごろから検討を進めました。今は、春さんの方で、営業とインサイドセールス部門に配属されたメンバーを対象にインサイドセールス研修を実施してもらっています。
春:わたしが「インサイドセールス研修が6月からスタートする」と聞いたのが5月の後半でした。そこから急ピッチで昨年の研修プログラムをブラッシュアップしました。実は、研修全体のプログラムの見直しはスタート時点では間に合ってなくて、1週目は研修と並行しながら設計もしていました。
去年の研修は最初の2週間は座学とワークショップ、3~5週目はコール研修(実際に電話をかける研修)でした。今年は、座学とワークショップのみに3週間かけているため、去年と比べると余裕をもったプログラムになっています。
講師の話を聞き続ける座学だけではなく、たくさんアウトプットしてもらうことで、より理解を深められるようにし、こちらとしても新入社員の皆さんの理解度をチェックできるように工夫しています。2週目に入り、製品紹介やデモンストレーション等の実践を交えた研修プログラムも実施しています。
画面越しの研修 かたかった新入社員たちも徐々にほぐれてきた?
春:今年はオンライン研修のみで、画面越しのコミュニケーションであるからか、雰囲気がどうしても硬くなってしまうと感じることがありました。ワークショップを通してディスカッションの時間を増やすことで少しずつ新入社員の方々の雰囲気もほぐれてきた気がしています。朝の時間には、お互いを知る時間を設けたりもしています。各メンバーに、中学/高校時代・大学時代・現在・10年後をそれぞれ絵に描いてもらって紹介し合う取り組みなのですが、気軽につっこみながら、お互いを知ることができる時間で、みんな楽しんでくれていると思います。
冨永:5月にも、朝の時間を使って1人ずつLT(ライトニングトーク)を持ち回りで行いました。1人2回ずつやりましたね。
佐藤:最初から、「やわらかくていいよ」と伝えてあったのですが、「仕事の場だし」というのもあり、テーマが硬くて。「大学時代に得たことを仕事に結びつける」というような内容が多かったんです。そんななかでも趣味について語る人がいたんです。そういう時は、質問も多いんですよね。その人のLTが「こういうのでいいのか」と思たり、「『話し手』はどう工夫すべきか」といったことを考えたりするきっかけにもなったみたいです。
丹波:「知る」という面でいうと、ずっとリモートだと、「廊下ですれ違う」というようなこともなく、他部署の人から気軽に声をかけられることもないので、会社への帰属意識が芽生えにくいんじゃないかと感じたんです。だからウイングアーク1stの一員としての意識をもってもらうためにどうするのがよいのか…ということも議論しました。
冨永:反対に、迎え入れる社員の側でも、会社にいるとすれ違ったりすることで「新しく入社された方だな」というふうに感じることができますが、リモートではそれができません。例年は3月に開催される社員総会でステージに上がってもらっていますが、それもなかったので、お互い見えていないままになっちゃうんですよね。
リモートワークかどうかに関係なく、例年、役員講話の時間を、なるべく早いタイミングで取り入れています。会社の沿革やビジョンを聞くことで、自分が属する会社がどういうところであるのか、の理解を深めることが目的ですが、オンラインでの対話だけではあるので、もう少し工夫が必要なところなのかもしれません。
佐藤:5月の製品研修がはじまってからは「やっと仕事をしている気がします」という声が聞こえるようになりました。4月は動画でビジネスマナーなどについて学んでもらいましたが、それだけでは社会人としての気持ちがあまり植えつかなかったと思いました。
丹波:6月からもまだOJT研修をやっている状況ではありますが、月曜日の午前中は集合研修を入れないで配属先の部門ミーティングなどに出てもらうようにしています。6月に配属した意図の一つでもあるのですが、内容がわからなくても自分がどこかに所属している感覚を持ってもらいたいからです。また、配属先でメンターをアサインし、毎日夕方にコミュニケーションをとってもらうことも始めています。
▲インサイドセールスチームのウエルカム飲み会の様子。オンラインでも距離が近くなれるよう、様々な工夫に取り組んでいる。
かつては研修が存在しなかった⁉ より確かなスキルアップへつなげるために立ち上がった先輩たち
丹波:わたしが新卒入社したのは10年以上前ですが、外部講師によるビジネスマナー研修が入社後1カ月くらいあって、5月には現場に配属となりました。OJT担当者はいましたが、研修内容は人それぞれで違いましたし、そのミスマッチで退社してしまう人もいるくらいでした。
そこに問題意識を持って「変えよう」と研修の改革を2015年くらいから進めてきて、いまは春さんをはじめ若手メンバーにバトンがわたっています。当時目指していたところにどんどん近づいているんじゃないでしょうか。ここ数年で、インサイドセールスが営業スキルの根幹となる部分の育成の中心を担えるようにという動きになり、このプログラムが完成しつつあるのはすごくいいなと思っています。
今年のリモート研修プログラムを将来にどう生かしていくのか
佐藤:今後も新人研修は100%リアルには戻らず、ハイブリッド型になると思っています。今回、リモートになったことで折衷点を見つけることはできました。
丹波:顔合わせはやはり重要だと思います。ですから、リアルでやったほうが良いことを、オンラインでも問題ないところの勘所はわかりましたよね。
冨永:リモート入社の世代と言うことで、受け入れ側も本人たちもいつも以上に敏感にはなっていましたよね。普段なら、見えてくる様子から個別にフォローできたことも例年通りというわけにはいかなかったですし。引き続き、配属先の上司やOJT担当者とコミュニケーションをとり、サポートは続けていきたいと思っています。その中で、来年以降のウイングアーク1stの新入社員のオンボーディングがどうあるべきか、目的と意思を持って決定していかなければならないと考えています。
丹波:リモートはコミュニケーションが0か100なので、意識しないと絶対できないので、自分からアクティブに気にかけていく意識が、新人研修に限らず日々必要だと感じでいます。
春:新入社員の方々からすると、私は直接コミュニケーションを取れている数少ない社員の一人でもありますし、研修担当者としての責任も感じています。研修期間にかぎらず、新入社員の方々が組織の中にうまくなじんでいけるように、最大限のフォローをしていきたいです。
今後、働き方が変わっていく中で、新人研修の在り方もさらに変わってゆくことでしょう。しかし新人への細かなフォローなどのコミュニケーションや意識付けが重要なことはかわりません。研修のバトンは磨かれながらこれからも受け継いでいかれます。そして新入社員たちがこれからどのように育っていくのか。これからが楽しみです。
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