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創業20周年:帳票一筋、いまこそ、日本の「技」

人も企業も歴史あり。ウイングアーク1stは、2024年3月に創業20周年を迎えました。
当社の祖業であり事業柱である帳票基盤ソリューション「SVF」には、創業前に遡る長い歴史があります。インタビュアーの私は、ちょうど1年前にウイングアーク1stに入社したのですが、入社前は「帳票基盤ソリューション」で国内シェア1位のSVF、という印象が強く、製品の保守がメインで新機能開発には消極的なのかと思っていました。入社してからは、守るべきところは、保守作業、サポート業務とし守り、攻めるところは新規開発として攻めてる、という挑戦し続ける印象に変わりました。
 
そんな「SVF」を長年にわたり開発と営業で支え続けている、執行役員Business Document事業部長 の崎本さんとデジタルインボイス担当部長の清水さんに、お話を伺いました。(聞き手:SVF開発 竹田)


 

――おふたりは、20年以上のキャリアをお持ちですが、20年以上前は何をされてましたか?

崎本:「SVF」が誕生したのは弊社 創業前の1996年ですが、私は他の企業でSIerとして働いていました。その時代の納品書、伝票などは、ドットインパクトプリンター※で印刷をするのですが、かなり微妙な仕上がりでした。2、30枚を連続して印刷すると、出力された紙の印字が縦の枠の一番上からずれていき、最後には帳票のラインが重なって印刷される、なんてことがざらでした。当時は、アプリケーション毎に対象のプリンターやミドルウェアに合わせて開発する必要があり、「出力したとき印刷表示がずれないように」SEとして開発をしていたのです。

 しかし、「こうすればもっと良くなるのに。上流からアプローチしていきたい」という気持ちが強くなり、お客様の声がもっと聞けると思って、営業職として2000年に翼システム(ウイングアーク1stの前身)に入社しました。

※インクリボンにピンを打ち付けて文字や図形を印刷するプリンター。納品書や受領書が1枚つづりなった複写式伝票に印刷する

執行役員 Business Document事業部長  崎本さん

清水:その当時はWiondows95上でVisualBasicを代表とするPC端末やプリンター意識せずに画面をグラフィックで開発できるオープン系開発言語が登場し、クラサバシステムの全盛期でホストからオープン化への流れが出始めたころ。2000年問題※も叫ばれていた時代で、崎本さんが言われる印刷のズレは、プリンター種類(ドットプリンタ/レーザプリンタ)やメーカー毎に異なる解像度(160dpi・180dpi・300dpi・400dpi・600dpi)と画面階層度の違いによるもので開発の終盤に行う印刷テスト時に問題が発生するエンジニア泣かせの事象でした。 私は、1995年に営業として当社に入社し、伝票を発行する「伝票丸」という製品を担当しました。

※多数のコンピュータシステムの内部で日付を扱う際に西暦の下2桁だけを表示しており、上位2桁を省略していることが原因で問題が生じると言われた。

デジタルインボイス担当部長 清水さん


ないものをどこよりもはやく創り上げていくベンチャーな毎日

――そんな時代にSVFが誕生したんですね?

清水:誕生に至るまでは奇跡のストーリーが語りきれないほど数多くありますが、SVFは「Virtual₋DOS」ユーザーの「こんなのできないか」のひとことから開発されました。

「汎用機(ホストコンピューター)からエミュレータ経由で出力される複写伝票(ドットプリンター用)をPC用レーザプリンタに罫線付きで印字したい」と言われたのです。

当時は、少数精鋭のベンチャーで凄まじい組織でしたから、私がユーザー要望を汲み取り「こう言ったものが欲しい」と伝えると、すっごいスピード感で、プロトタイプができあがる日常でした。そんな時代でしたので、Virtual₋DOSユーザーの要望にも1ヶ月でプロトタイプを創り、ユーザーに披露する事で『技術力がある会社だ』との信頼を得ていたことを覚えています。これがのちに「SVF」となる「VisualFormade」の誕生でした。

崎本:エンジニアは「ないものを速く創る」、営業は「ない市場を創る」の毎日でしたよね。
 
清水:会社に泊まったこともありましたし、常に疾走している感覚だったよね。

「すごい!ずれない」の印刷のデモ

――お見せいただいたお写真、時代を感じます!

清水
:これは私が営業している時の展示会の写真ですが、当時はインターネットやコンピューターの環境が今ほど発達しておらず、展示会や雑誌広告が主な情報源でした。雑誌広告で宣伝し、製品を見にいく場が展示会しかなかった。
印刷のデモをして、お客様が「すごい、ずれない」と目の当たりにするのが楽しくって、展示会場では「印刷がずれない」というデモを、朝から晩までひたすら一日中実施していました。

展示会きっかけにホストコンピュータを利用の大手運送会社様や電力会社様、プリンター保有台数の多い金融機関・プリンタメーカーなど大規模にも利用されはじめた時期です。

一日中、「ずれない」デモを実施していた展示会。 向かって左側のピンクワイシャツが清水さん


崎本:2000年代に入ると、Javaの登場によりSVFの市場が大きく広がりました。Javaアプリケーション対応で、金融業界などで幅広く利用されました。

お客様のご要望に細かく対応していった結果、「SVF」は細かなモジュール製品も充実しました。例えば、ボタン一つでノンプレビュー直接印刷ができるSVF for Web/Clientという製品、ボタン一つの機能でニッチですが、名製品だと思っていて、「SVF」らしくて好きな製品の一つです。

――ソフトウェアで30年近くシェアNo1を走り続けていること自体がすごいことですよね。一方で同じ製品に飽きずに携わり続けられているのはどういう想いがあるのでしょうか?

清水:開発者のパワーがすごくて「リクエストされたものができたんだけど、どう?」とつくってきてくれる。お客様に見せると喜んでいただき「助かった」の声を目の前で聞いたり、キラキラした目を見ると嬉しくて楽しくて、で、やめられないです。

崎本:困っていることを解決できる環境もある。そしてお客様の企業を支えている実感を常に持ち続けられていることです。
日本はこれから人口が減少しますが、地味な存在ながら弊社がその課題にどう向き合って貢献できるのか、社会や未来を作っている実感を常に持てていて、非常にやりがいがあります。

変わり続ける環境でも攻め続ける大切さ


――今後帳票に関わる業務がどうなっていくのか楽しみです。

崎本:20年前からの帳票環境の変化で言うと、お客様は、社内における紙の帳票が減り、ワークフローやPDF帳票の電子化が主流になりました。

生成AIは、帳票の世界とは縁がない、と思われるかもしれませんが、私は「いろんなコンテンツが簡単に生成できる時代が来た!」とワクワクしてます。
日本の帳票はきめ細かくて、おもてなしの心が1枚の帳票にも現れています。世界の国々の法律はそれぞれありますが、電子化された帳票により、グローバルで電子化帳票のやり取りが活発になっています。同時に生成AIの発展に伴い、SVFではドキュメントの信憑性がより求められます。生成AIによる不正な帳票作成のリスクに対応するため、発行元の企業を証明する仕組みや、配信経路の証明など、デジタル化された帳票の信頼性を高める取り組みが重要になって来ると考えていますし、期待してください!とお伝えしたいですね。

――お話を伺い、当時のDNAが「SVF」に受け継がれているのだなと、今後、SVFと一緒に成長できるのか、と楽しみになっています。本日は貴重なお話ありがとうございました!

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